割算九九(割声)

そろばんのわりざんには、商除法と帰除法があります。現在一般に行われているのは商除法で、かけざん九九を使って商を見つけます。帰除法は昔使われていた方法で、割算九九(割声)を覚えて計算するものです。ここではその割算九九(割声)をご紹介しましょう。

【二の段】 二一天作五 にいちてんさくのご
二進一十 にしんがいんじゅう(にしんがいっしん)
【三の段】 三一三十一 さんいちさんじゅうのいち
三二六十二 さにろくじゅうのに
三進一十 さんしんがいんじゅう(さんしんがいっしん)
【四の段】 四一二十二 しいちにじゅうのに
四二天作五 しにてんさくのご
四三七十二 しさんななじゅうのに
四進一十 よんしんがいんじゅう(よんしんがいっしん)
【五の段】 五一加一 ごいちかいち
五二加二 ごにかに
五三加三 ごさんかさん
五四加四 ごしかし
五進一十 ごしんがいんじゅう(ごしんがいっしん)
【六の段】 六一加下四 ろくいちかかし
六二三十二 ろくにかかに
六三天作五 ろくさんてんさくのご
六四六十四 ろくしろくじゅうのし
六五八十二 ろくごはちじゅうのに
六進一十 ろくしんがいんじゅう(ろくしんがいっしん)
【七の段】 七一加下三 しちいちかかさん
七二加下六 しちにかかろく
七三四十二 しちさんしじゅうのに
七四五十五 しちしごじゅうのご
七五七十一 しちごななじゅうのいち
七六八十四 しちろくはちじゅうのし
七進一十 ななしんがいんじゅう(ななしんがいっしん)
【八の段】 八一加下二 はちいちかかに
八二加下四 はちにかかし
八三加下六 はちさんかかろく
八四天作五 はちしてんさくのご
八五六十二 はちごろくじゅうのに
八六七十四 はちろくしちじゅうのし
八七八十六 はちしちはちじゅうのろく
八進一十 はっしんがいんじゅう(はっしんがいっしん)
【九の段】 九一加下一 くいちかかいち
九二加下二 くにかかに
九三加下三 くさんかかさん
九四加下四 くしかかし
九五加下五 くごかかご
九六加下六 くろくかかろく
九七加下七 くしちかかしち
九八加下八 くはちかかはち
九進一十 きゅうしんがいんじゅう(きゅうしんがいっしん)

(例1) 12÷2=6 そろばんに12をおく。わる数の二の段でわられる数12の先頭の数を見て、二一天作五と1を5にして1をはらう。次にわられる数の残り2を見て、二進一十と2をはらって10をいれる。すると答えが6となる。


(例2) 158÷2=79 そろばんに158をおく。わる数の二の段でわられる数158の先頭の数を見て、二一天作五と1を5にして1をはらう。次にわられる数の残りの先頭5を見て、二進一十と2をはらって10をいれる。これを繰り返す。するとそろばん面は718になり、7は答え。次に残り18の先頭の数1を見て、二一天作五と1を5にして1をはらう。次は8を見て、二進一十を繰り返す。すると答えが79となる。


(例3) 252÷3=84 そろばんに252をおく。わる数の三の段でわられる数252の先頭の数を見て、三二六十二と2を6にして右側に2をいれる。するとそろばん面は672になる。次にわられる数の残りの先頭7を見て、三進一十と3をひいて10をいれ、これを繰り返す。するとそろばん面は812になり、8は答え。次に残り12の先頭の数1を見て、三一三十一と1を3にして、右側に1をいれる。ここまでで、そろばん面は833になる。最後の3を見て、三進一十と3を引いて10をいれると答えが84となる。


(例4) 2881÷43=67 そろばんに2881をおく。わる数の先頭の四の段でわられる数2881の先頭の数を見て、四二天作五と2を5にして2をはらう。次に答えの5とわる数の二番目の数3をかけて88から15をひく。するとそろばん面は5731となる。次にわられる数の先頭7を見て、四進一十と4をひいて10をいれ、そろばん面は6331となる。さらに、今いれた1とわる数の二番目の数3をかけて、33から3をひく。そろばん面は6301となる。次にわられる数の先頭3を見て、四三七十二と3を7にして、右側に2をたす。そろばん面は6721となる。次に答えの7とわる数の二番目の数3をかけて21をひくとこたえは67となる。

※ わる数が二桁以上で先頭の数がわられる数と同じ場合。

先頭の数    
1 見一無頭作九一 けんいちむとうさっきゅうのいち
2 見二無頭作九二 けんにむとうさっきゅうのに
3 見三無頭作九三 けんさんむとうさっきゅうのさん
4 見四無頭作九四 けんしむとうさっきゅうのし
5 見五無頭作九五 けんごむとうさっきゅうのご
6 見六無頭作九六 けんろくむとうさっきゅうのろく
7 見七無頭作九七 けんしちむとうさっきゅうのしち
8 見八無頭作九八 けんはちむとうさっきゅうのはち
9 見九無頭作九九 けんきゅうむとうさっきゅうのきゅう
     
次が引けない場合 帰一倍一 きいちばいいち

(例5) 1404÷18=78 そろばんに1404をおく。わる数の先頭とわられる数の先頭がいずれも1なので、見一無頭作九一とわられる数の先頭の1を9にして、右側に1を加える。するとそろばん面は9504となる。続けて答えにした9とわる数の2番目の数8をかけて72を引きたいが引けないので、帰一倍一と9から1を引いて右側に1を加える。8と8をかけた64も引けないので帰一倍一と8から1を引いて右側に1を加える。するとそろばん面は7704となり、7と8をかけた56を70から引く。そろばん面は7144となる。この7は答え。つぎも144÷18を行う。見一無頭作九一と先頭の1を9にして、右側に1を加える。そろばん面は7954となる。9と8をかけた72が引けないので、帰一倍一と9から1を引いて右側に1を加える。そろばん面は7864となる。8と8をかけた64を引いて答えは78となる。